時間の計算は3年生で本格的に習い始めますが、わからないという子も中にはいます。
うちの娘とお友達のお姉ちゃんは時計の読み方すら3年生でも苦手でした。
時計の見方すら苦手という子は時間の計算が3年生でもわからないというのも納得です。
しかし、時間の計算が3年生の時点で良くわからないと今後出てくる時間・距離・速さの計算でつまずいてしまう可能性が高くなります。
なんとか3年生のうちに時間の計算でわからない部分を解消しておかないと後々困るでしょう。
そこで今回は時間の計算が3年生でもよくわからない理由・教え方のコツ・覚えるとどんなメリットがあるのかを紹介していきます。
この記事は小学6年生男子、4年生女子を持つわたしが経験を元に解説していきます。
時刻と時間の計算が3年生でもわからない理由
3年生になれば時計の読み方、時刻の意味や時間の計算などわかる子が多いです。
でも、中には3年生になっても時計の読み方が良くわからない・時刻の意味が良くわかっていない・時間の計算がわからないという子もいます。
どんな部分につまずいているのか、まずは把握して親も理解しておきましょう。
①意味の違いを把握しないで混乱
時刻と時間の意味の違いがイマイチ良くわからないというパターンの子がいます。
まあ、一文字違いですし子供が勘違いしちゃうのもわかりますよね。
改めて時刻と時間の意味の違いをチェックしてください。
時刻とは:
何時何分というように、ある決まった時間。
※くもんの学習 国語辞典より引用。
時間とは:
ある時刻からある時刻までの間。
時の長さ。
時の単位。
※くもんの学習 国語辞典より一部引用。
つまり、時刻とはピンポイントで決まった時間を意味し時間は長さを表す言葉ということです。
子供によってはこれでもちょっと混乱することがあるかもしれませんね。
わからないとつまずくお子さんは以下で説明している教え方を使ってください。
②時間の計算は六十進法と二十四進法だから難しい
大人でも算数や数学が苦手な人は忘れているかもしれませんが、時間は六十進法と二十四進法を使って計算します。
○○進法って何だっけ?という親御さんもいるかもしれないので、わかりやすく解説していきますね。
○○進法とは数を表す方法で○○進数は表す数のことを言います。
なので、進法と進数の違いはココだけ。
これを踏まえて解説していきますね。
- 六十進法とは60までの数毎に1つ上の位に上がる数の表し方。
- 二十四進法とは24までの数毎に1つ上の位に上がる数の表し方。
つまり時間で見てみると60秒経過すると1分、60分経過すると1時間と表せるということです。
また、1日24時間で24時間が過ぎると翌日になるというわけですね。
ただ、24時間の方はあまり気にしなくても良いかなと思います。
問題は六十進法の方です。
六十進法の使い方が良くわからないと言って、小学3年生でつまずいちゃう子がいるんですよね。
覚えてしまえば単純な計算はそこまで大変ではないですが、計算をするときは秒・分・時間・日が混ざってくることがあります。
こうなると混乱したり読み間違えをしてミスを犯す子が多いんです。
だから、「時間の計算だけなのに何でわからないの?」と思わないでください。
意外と凡ミスしやすい部分なので、子供には繰り返しやらせるしかないんです。
③24時間制で時間を表すこともあるから注意
小学3年生だと「何でいちいち1日を24時間にするの?午前と午後で単純に書けば良いじゃん!」と思う子も多いです。
1日24時間というのは大人の感覚では当たり前ですが、子供はそんなにたくさん数字を使わなくても良いのにと感じる子もいるでしょう。
午前と午後と書く場合、時間を間違えやすかったりします。
でも、24時間で記載すれば間違えようがありませんよね?
なので、営業時間を記載するときは結構24時間で書かれているところが多いです。
午前と午後の伝え間違えや勘違いをなくすためにも、小学3年生でもこのあたりはきちんと把握してもらいたいですよね。
時間の計算がわからない3年生に教えるコツ
上記の通り、小学3年生が「時間の計算がわからない!」とつまずくポイントは結構明確です。
時間の計算がわからないと悩んでいる小学3年生には以下の4つのポイントをおさえて教えるのがおすすめ。
一度わかってしまえば、高学年になってから出てくる時間・距離・速さの計算でも活用できるので今のうちから以下の4つを使って時間の計算をマスターしておきましょう。
①図を使った方がわかりやすい
子供だけでなく大人もそうですが、図を使って覚えた方がわかりやすいです。
ポイントは時計と横棒を使った図を使うこと。
まずは簡単な時間の計算から始めますね。
例題を見ながら計算していきましょう。
例①:家を午前7時45分に出ます。
家から学校までは20分かかります。
学校に到着する時間は何時何分でしょう?
計算式で考えると以下の通りです。
午前7時45分+20分=午前8時5分
まずは7時45分にいくつ足せば8時になるか考えます。
これは15分足せば8時になりますよね?
次に実際に足さなくてはいけない分数から今足した数を引きます。
すると残りの数が出ます。
ですが、計算式だけ見るとちょっとわかりづらいですよね?
上記のような問題は簡単ですが、それでも時間が切り替わると間違えやすい子もいます。
そのときは図を使って説明しましょう。
使う図は時計と時間の動きを示した横棒の時刻表です。
最初のうちは問題ごとに図を書いてみても良いと思います。
繰り返しやっているうちにだんだんとコツを掴ん来るでしょう。
また、それでもわからないという場合は知育用の時計を活用して時間を数えても良いと思います。
そこまで高いものではないので学校の授業についていけないなら、こういったものを活用しても良いと思います。
長針と時間・短針と分が同じ色になっているので覚えやすくわかりやすいです。
うちもすでに処分してしまいましたが、おもちゃの時計を使って教えていました。
また、同時に横棒を使って時間の推移を書いていってください。
まずは60分以内の短い時間で練習し、徐々に長い時間で練習していきます。
②普段の生活で使ってみる
問題を解くだけだとイマイチ良くわからないという子は実生活で使ってみるのもおすすめ。
特に友達と遊ぶ時間を使えば、食いつくと思います。
「今、午前9時40分だよ。友達と待ち合わせしているのは午後1時だから、後何時間何分後に公園に行けば良いのかな?その前にご飯食べたり宿題やったりしなきゃいけないから時間を知っておいた方が良いよね?」
「お父さんは午後8時頃帰ってくるって。今、午後6時30分だから後何時間何分あるかな?ご飯とお風呂の用意をそれまでにしないとね!」
などと話しておくと頑張って時間を導き出してくれます。
普段からこういった会話をしていると自然と慣れて来るでしょう。
「問題文で見るとわからない」という子にはぜひやってみてくださいね。
③時間の計算で六十進法を使う練習
前述の通り、時間の計算では六十進法を用いて計算します。
ちょっと難しいイメージですが、覚えてしまえば単純。
60を1つの単位と考え、61にはならず1つ上の位に上がると考えれば良いだけです。
-
- ポイント
60秒=1分
60分=1時間
このルールを覚えておけば、応用も簡単です。
必ず「60」を使うと覚えておくだけ。
単純なものであれば、簡単に解けるでしょう。
例①:60秒を分で表してください。
90秒÷60(六十進法)=1分30秒
ではワンステップ上で考えてみます。
分と秒にわかれるときはどう計算すれば良いでしょうか?
例②:130秒と2分どちらが長い時間ですか?
2分×60=120秒
ということは130秒の方が長いとなります。
つまり、分を秒という下の単位に直すときは「掛けて答えを出す」んです。
例③:210秒を分と秒に直しましょう。
210÷60=3.5分
小数点より上は分になり、小数点以下はそのまま秒にはなりません。
3年生はここがよくわからなくなるところです。
0.5分とは普通表さないですし、秒に直すという指示があるので秒に直していきます。
まずは0.5分は1分の半分の数ですから30秒とすぐにパッと出ますね。
このようにそのまま半分にしても良いですが、六十進法で計算する癖をつけておきましょう。
再度60秒の単位になるよう0.5に60を掛けます。
0.5×60=30
ということは210秒は3分30秒ということです。
つまり、○○秒を分と秒で表すには1分=60秒なのでまずは分で全体を導き出します。
〇秒÷60(六十進法)で何分になるか出ます。
次に小数点以下もそのまま分で表されているため、秒に戻します。
0.○○分×60(1分の数:六十進法)で何秒になるか出します。
ちょっとややこしいかもしれませんね。
次は時間から分へと下の位での表現へ変えてみましょう。
例④:0.2時間は何分になりますか?
0.2×60(六十進法)=12分
0.4×60(六十進法)=24分
今度は大きい数の分から時間と分に直してみましょう。
例⑤:395分は何時間何分になりますか?
395÷60(六十進法)=6.583333333…時間
まずは小数点以上の部分が時間になるので、6の部分が時間です。
次に小数点以下が分に当たるので
0.58333333…×60(六十進法)=34.99999999…
小数点以上の部分「34」が出ましたが、小数点以下は四捨五入して35分にします。
今度は単位のバラバラな計算の方法を見てみましょう。
-
- ポイント
単位が違うときは一旦一番下の単位にしてから計算する。
例⑥:1時間35分10秒×5を計算しなさい。
1時間=60分=3600秒
1分=60秒
1時間35分10秒=3600秒+60秒×35分+10秒=5710秒
5710×5=28550
28550÷3600(1時間)=7.93055555…
まずは7時間が出ます。
小数点以下を分と秒で表すために60を掛けます。
0.93055555…×60=55.833333…
55分が出ました。
次に秒を出します。
0.8333333…×60=49.99999…
50秒になります。
答えは7時間55分50秒
例⑦:3時間10分30秒÷3を計算しなさい。
3600秒×3時間+60秒×10分+30秒
=11430÷3
=3810÷3600(1時間)
=1.05833333…
まずは1時間が出ます。
0.05833333×60=3.4999999…
3分が出ました。
0.499999…×60=29.99999999…
30秒になります。
答えは1時間3分30秒
ちょっと難しいですが、親御さんが問題を作って繰り返し解いてみるのも良いでしょう。
わからない状態にせずに一緒に繰り返し時間の計算をしてみましょう。
反復練習することで難しい計算方法も身についていきます。
繰り返し練習することの重要性については以下の記事を参考にしてください。
中学受験でやっておくことは低学年から反復練習を習慣化することです。 中学受験について何も知らない親御さんは「低 …
反復練習するだけでもかなり力がつきますよ!
正しい答えかチェックするには時間計算電卓を使ってみるのがおすすめです。
https://tomari.org/main/java/dentaku_time.html
-
- ポイント
下の位から上の位にするときは「÷」を使い、上の位から下の位にするときは「×」と覚えておくと良いでしょう。
下の位から上の位にするとき→数が減らないとおかしい→「÷」
上の位から下の位にするとき→数が増えないとおかしい→「×」
と考えても良いですね。
わかりやすい方法で覚えておけば、悩まずに計算できます。
④1日24時間で表すことを練習して覚える
小学校低学年のあたりまでは午前、午後で時間を表すことが多いです。
しかし、徐々に1日を24時間で表す場面も多く出てきますし学校でも1日を24時間で表して計算することも出てきます。
時間の単位を24時間に増やすとまた計算が面倒になります。
1日を小数点で表して時間を導き出すというパターンも出されるので、結構面倒くさいです。
でも、そうはいっていられないのでここでも覚えてしまいましょう。
まずは以下のことを頭に置いてください。
-
- ポイント
1日=24時間
例①:0.8日を時間と分で表しましょう。
0.8×24(二十四進法)=19.2時間
小数点より前は時間で出ました。
小数点以下は分の部分に当たりますが、このままだと時間で表現されたままです。
そこでさらに分で表すために「六十進法」を使って計算します。
0.2×60(六十進法)=12分
つまり、0.8日は19時間12分ということです。
小数点以下をそのままにせず、必ず分に直す計算を忘れないようにしてください。
時間の計算をマスターさせるメリット
小学3年生でしっかり時間の計算方法をマスターしておけば、4年生・5年生になってさらにすすんだ計算問題もつまずきにくくなります。
時間の計算をマスターすると得られるメリットは主に3つあり、生活でも活用できるので覚えて損はありません。
①生活の中でルールを守れるようになる
時間の計算を覚えると普段の生活でも役立ち、時間のルールが守れるようになります。
例えば、友達と遊ぶときは学校で約束してきますよね。
約束を守ろうと思って、学校から家へ帰る時間と準備の時間を引いて約束の時間を導き出します。
これができていないときは約束を守れない子が多いですよね。
うちの子たちもそうでした。
とにかく遊びたいから早く約束してくるんですが、「帰宅前の時間が約束している時間なんですけど!」ということが多々ありました。
しかし、時間の計算ができるようになってからは必ず逆算して約束してくるようになりました。
まあ、多少早く早くという気持ちからめっちゃ早く約束してきているときがありますけどね。
②大人になってから困る不安が解消
時間の計算ができないと大人になってから損することもあります。
例えば、時間給や残業代の計算などが正確にできないと困りませんか?
30分単位・15分単位でもらえるところと会社によって変わりますが、きちんと計算ができないと間違っていても気づきません。
知らなかっただけで損するのは嫌ですよね。
こんなことにならないためにも時間の計算を覚えておくのは良いことだと思います。
時間の計算が不得意な大人は結構います。
ちなみに、わたしが若い頃に勤めていたところのバイトの子でもいました。
恥ずかしくて周囲には言っていなかったようですが、わたしにポロッと言っていたのを覚えています。
単純な計算すら間違っていたので、ちょっと心配になりました。
③時間の感覚が養える
上記の通り、時間の計算ができることでどのくらいの時間がかかるという感覚が養えてくると思います。
例えば学校から家まで何分で帰れる・宿題にどのくらいの時間がかかりそう、だから友達とはこのくらいの時間に待ち合わせするのがベストだ!と導き出せます。
また、今後成長してくるとテストの時間配分が大事になってきますよね?
テスト時間は50分、問題数は大題が5つでその中に3問ずつあるから1問何分くらいで解けば全部解いて見直しができるかがパッと出てこないと困るでしょう。
時間の感覚が養えていれば、大題1つにつき10分で大体その中の問題1問につき3分以内でやろうと考えられます。
時間の計算は3年生から徐々に難しくなり、ここでわからないままだと学年が上がるごとに余計わからなくなります。
だからこそ3年生のうちに基礎をしっかり固めておき、高学年になってつまずきそうな原因を取り除いておきましょう。
まずは繰り返し同じような問題を解いてみてくださいね。